Part28 「名義預金とは何か?」
Part28 「名義預金とは何か?」
■質問:名義預金とは何か?
■答え:名義預金というのは、亡くなられた方(被相続人)の資金源で親族等の名義の口座を作成している場合です。お孫様名義の定期預金の口座を作っている場合は少なくありませんが、お孫様が名義預金の存在も知らない場合には、名義預金として被相続人の財産に含める必要があります。
■質問:配偶者名義の預金については、名義預金とされる可能性があると聞きましたが、本当でしょうか。
■答え:配偶者名義の預金については、名義預金と認定される場合もあります。
例えば、夫が亡くなり、残された妻は結婚後専業主婦のみで職歴が一切なかったとします。この専業主婦であった妻の預金口座に1億円の貯蓄があったとしたらどうでしょうか。もちろん、ご実家からの相続やご自身の年金等は妻自身の固有財産ですが、それと比較してあまりにも膨大な貯蓄がある場合には、亡くなられた夫から生前に移っていたのではないかと疑われてしまう可能性があります。
月30万円生活費として受け取っていて、なんとか20万円でやりくりして月10万ずつ貯蓄していたような場合にも同じで、原資が夫であれば夫の相続財産として財産計上が必要となります。
生前に夫婦間で預金額を同程度の金額にしておくことで税金対策になると思われている方もいらっしゃいますが、対策にはならないということになります。もし、夫から妻への資金移動で名義預金とされないためには、贈与契約書を作成し、贈与税の非課税金額(110万円)を超える場合には、贈与を受けた者が贈与税の申告を行う必要があります。
生前に資金を移動されること自体は決して悪いことではありません。口座が凍結されてしまった後の葬儀費用等、ご心配になる点も多いかと思います。
税務調査で指摘されないコツは、ちゃんと名義預金であろうものは計上するということに尽きます。
私共は出来る限り税務調査が入らないような申告書の作成を心がけておりますので、残された配偶者の方の資産や職歴をお伺いさせて頂くこともあります。ご共有頂くには抵抗のある情報かと思いますが、税務署からお守りする為のヒアリングとなりますので、ご理解頂けると嬉しいです。
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