Part21「遺言書作成時の留意点⑥」
Part21「遺言書作成時の留意点⑥」
■質問:私の財産は自宅(相続税評価額7,500万円)と預貯金(2,500万円)のみで、推定相続人は長男と二男の2人となります。長男には自宅を相続させ、二男には預金を相続させる旨の遺言を記載しようと思いますが、遺留分算定基礎財産が1億円で遺留分1/4を相続させる予定なので問題ないでしょうか。
■答え:二男の遺留分については不足が出る可能性があります。遺留分算定の基礎財産は、時価評価となりますので、相続税評価額ではありません。
相続税評価額は、一般的には時価の8割と言われていますが、地域やその土地の特性によっても異なりますので、適正な時価の判断は、通常は不動産鑑定価額によります。例えば、二男がご自宅の不動産鑑定価額を不動産鑑定士に依頼し、不動産鑑定価額が1億円であれば、1億2,500万円が遺留分算定基礎財産として、遺留分の主張をされる可能性があります。その場合には、二男の遺留分は1億2,500万円の1/4相当の3,125万円となり、2,500万円との差額625万円を請求される可能性があります。もっとも二男側で依頼した不動産鑑定価額が高すぎるとして、長男側でも不動産鑑定価額を依頼し、時価を巡って争われることもあります。
特に都心部やタワーマンション等の場合には、相続税評価額と時価との乖離が大きい場合がありますので、注意が必要となります。
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