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相続・遺言

Part11「内縁の妻は財産を継承できるか?」

Part11「内縁の妻は財産を継承できるか?」


■質問:内縁の妻は財産を継承できますか?
■答え:内縁の妻は法定相続人として認められていないため、相続人にはなれず、原則として財産を継承することができません。ただし、遺言がある場合や、相続人がおらず特別縁故者として裁判所に認められた場合は相続を受けられる可能性があります。

(1) 遺言がある場合
内縁の妻に遺贈する旨の遺言がある場合には、被相続人の財産を取得することができます。しかし、もし被相続人に兄弟姉妹以外の法定相続人が存在する場合は、その法定相続人に法律で最低限保証された遺留分が存在します。そのため、遺留分侵害があった場合には、内縁の妻に遺留分侵害請求がされる可能性がありますので注意が必要です。

(2) 特別縁故者として申立てを行う場合
① 特別縁故者とは
被相続人と血縁関係や婚姻関係にないが、次のいずれかを満たす者を特別縁故者といいます。特別縁故者となるには、家庭裁判所に申立てを行なう必要があります。
・被相続人と生計を同じくしていた者
・被相続人の療養看護に努めた者
・その他被相続人と特別の縁故があった者

② 特別縁故者になるには
特別縁故者となるには、前提として法定相続人がいない、もしくは相続人が全員相続を放棄している必要があります。そのうえで、裁判所に申立てをして認められる必要があり、申立てる期限も決まっています。しかし、この申立ては相続開始後すぐに行うことはできません。では、どのような流れで申立てを行うか見ていきましょう。

(イ) 「相続財産管理人選任の申立て」を行う
被相続人が亡くなった際に、すぐに連絡がつく法定相続人がいなかった場合、被相続人の債権者や特別縁故者にあたるものが「相続財産管理人選任の申立て」を家庭裁判所に行うことによって、相続財産の管理をする人が選ばれます。

(ロ) 選ばれた相続財産管理人が相続人の捜索などの手続きを行う
この手続きに10ヶ月以上かかります。ここで相続人が現れなければ、相続人がいないことが確定します。もし戸籍などから法定相続人に該当する人物が浮上した場合、連絡が取れない場合や、どこにいるかわからない場合でも特別縁故者が財産分与請求を行うことはできませんので注意が必要です。

(ハ) 「特別縁故者に対する相続財産分与の申立て」を行う
特別縁故者になるには、相続人がいないことが確定後、3ヶ月以内に裁判所へ「特別縁故者に対する相続財産分与の申立て」を行います。家庭裁判所に特別縁故者として認められれば、相続財産を受け取ることができるようになります。
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